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食欲不振
がん薬物療法中の食欲不振は、摂食量の減少が続くことで体力や体重の低下を引き起こし、
治療継続の困難さにつながるだけでなく、患者さんの治療意欲を奪うことにもなります1)。
また、体重減少そのものが生存期間の短縮につながることもあるので2)、
食欲不振の要因を把握して症状コントロールを行うことはとても重要です。
そのためには患者さんの思いをよく聞いて、症状を把握するアセスメントが求められます。
食欲不振時には、無理せずに食べられるときに食べられるだけの量をゆっくり食べるよう指導します1,3,4)。ご家族は「食べないと元気にならない」と考え、無理に勧めることもありますが、見守りが大切であることをご家族に伝えておくことが大切です4)。
また、本人に食べる意思がないときに食べるよう勧めても効果がないばかりか、拒絶や不安でさらに食欲低下を招く可能性があるので、注意が必要です4)。「少し食べられそう」という気持ちになったタイミングに介入することが効果的で、この時期を捉えるためには看護師、栄養士の連携が必要です4)。
症状が強いときは果物や飲み物、ゼリー類が好まれることもあります4)。食欲が増すように、盛り付けや皿など見た目にも工夫することが効果的な場合もあります4)。
摂食量が少ない場合は、経腸栄養剤を取り入れることも有効です4)。経腸栄養剤には、さまざまな味のものがあるので、患者さんが自分に合った味を選ぶことで長く続けられることにつながります4)。
資料
1) 三澤昇. 看護技術 2019;65(10):1031-1037.
2) Dewys WD, et al. Am J Med 1980;69(4):491-497.
3) 山本有佳子. がん看護 2014;19(2):173-177.
4) 宮内眞弓. がん看護 2020;25(2):159-158.