FL, MZL
濾胞性リンパ腫,辺縁帯リンパ腫

MM
多発性骨髄腫

CML
慢性骨髄性白血病

PTCL
末梢性T細胞リンパ腫

ATLL
成人T細胞白血病・リンパ腫

MDS
骨髄異形成症候群

2021.07

MDS-004試験(海外第III相臨床試験):5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群(MDS)に対するレブラミドの有用性

「警告・禁忌」等その他の項⽬はDIページをご参照ください。

レブラミド5mg投与は5番染⾊体⻑腕部⽋失を伴う⾻髄異形成症 候群において承認外の⽤法・⽤量ですが、 本試験はレブラミドの承認申請資料として評価されているため紹介します。

海外第III相臨床試験(MDS-004試験) の論文発表されたデータをご紹介します。

海外第III相臨床試験(MDS-004試験) <海外データ> 

赤血球輸血依存からの離脱:主要評価項⽬

連続26週以上の赤血球輸血依存からの離脱率は、レブラミド10mg群56.1%(23/41例)、レブラミド5mg群42.6%(20/47例)、プラセボ群5.9%(3/51例)で、レブラミド群ではプラセボ群に比べていずれも有意に高値であり、プラセボ群に対する優越性が検証されました(IPSS分類の層(0、>0)を調整したCMH検定、p<0.001、有意水準:両側0.025)。

Fenaux P, et al. Blood. 2011; 118: 3765-3776.より作成

安全性:副次評価項目

有害事象は、プラセボ群63/67例(94.0%)、レブラミド5mg投与群69例全例(100%)、レブラミド10mg投与群69例全例(100%)に認められました。主な有害事象はプラセボ群では下痢13例(19.4%)、好中球減少症12例(17.9%)、無力症11例(16.4%)、レブラミド5mg投与群では好中球減少症53例(76.8%) 血小板減少症30例(43.5%)、下痢21例(30.4%)、レブラミド10mg投与群では好中球減少症53例(76.8%)、血小板減少症34例(49.3%)、下痢25例(36.2%)でした。
重篤な有害事象は、プラセボ群14例、レブラミド5mg投与群28例、レブラミド10mg投与群31例に認められました。 主な重篤な有害事象は、プラセボ群では発熱2例、レブラミド5mg投与群では血小板減少症 5例、発熱4例、好中球減少症4例、レブラミド10mg投与群では深部静脈血栓症4例、好中球減少症4例 でした。
治験薬の投与中止に至った有害事象は、プラセボ群3例、レブラミド5mg投与群11例、レブラミド10mg投与群6例に認められました。その内訳は、プラセボ群では急性骨髄性白血病NOS1例、動悸1例、妄想性障害, 身体型1例、レブラミド5mg群では好中球減少症4例、貧血NOS1例、急性骨髄性白血病NOS1例、白血病NOS1例、転移性肺癌1例、発疹NOS 1例、膿疱性皮疹1例、深部静脈血栓症1例、心房細動1例、低血糖症NOS1例、筋痛1例、レブラミド10mg群では好中球減少症1例、血球貪食症候群1例、急性骨髄性白血病NOS1例、肺炎NOS1例、深部静脈血栓症1例、心筋梗塞1例、腎不全NOS1例、肺塞栓症1例でした。
最終投与後30日以内の死亡はプラセボ群2例、レブラミド5mg投与群2例、レブラミド10mg投与群4例に認められました。その内訳は、プラセボ群では成人呼吸窮迫症候群2例、レブラミド5mg投与群では血栓症-肺塞栓症1例、嚥下性肺炎1例、レブラミド10mg投与群では全身状態の悪化(詳細不明)1例、MDS悪化による脳出血1例、敗血症性ショック(呼吸器由来)1例、急性骨髄性白血病1例でした。
また、Grade 3/4の主な有害事象は、骨髄抑制と深部静脈血栓症でした。他のGrade 3/4の有害事象は、感染症(レブラミド10mg群:16%、レブラミド5mg群:9%)、発熱性好中球減少症(レブラミド10mg群:1%、レブラミド5mg群:3%)でした。

Grade 3/4の主な有害事象の発現状況

MDS_OS_CT04_01

CTCAE v3.0

Fenaux P, et al.: Blood. 2011; 118: 3765-3776.
社内資料:レナリドミドの外国第Ⅲ相臨床試験(骨髄異形成症候群)<承認時評価資料>

4.効能又は効果(抜粋)
5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群
5. 効能又は効果に関連する注意 (抜粋)
<5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群>
5.2
国際予後判定システム(International prognostic scoring system:IPSS)によるリスク分類の中間-2リスク及び高リスクに対する有効性及び安全性は確立していない。
6. 用法及び用量(抜粋)
<5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群>
通常、成人にはレナリドミドとして1日1回10mgを21日間連日経口投与した後、7日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。