研修先の病院で学んだ、医師としての基本姿勢

研修医時代のお話をお聞かせください。

清井

名古屋大学は卒業後すぐに入局せず、関連病院で研修するのが伝統でした。これは昭和40年代から続いている名古屋大学独特のシステムです。研修先の病院は、入局を予定している講座と関係の深い病院、血液専攻なら名古屋第一赤十字病院などが一般的で、研修を終えると第一内科に戻って血液内科に所属するのが王道でした。しかし、僕は当時血液内科医がいない小牧市民病院に行くことになりました。名古屋大学分院の先生が週に半日来られるだけでしたが、結果としてよかったと思っています。

研修1年目はいろんな科を回り、2年目は内科医として血液疾患だけでなく、冠動脈インターベンションをやったり、消化器の検査をやったりと、貴重な経験ができました。

また、ここでも素晴らしい恩師に巡り合うことができたのです。鈴木善充先生という糖尿病や腎臓が専門の先生ですが、医師としての姿勢について、本当に丁寧に教えてくださいました。非常に厳しい面もあり、どんなに忙しくても、入院患者さんの検査結果を昼までに見ていないと叱られました。患者さんとの接し方や診察の仕方など、医師としての基本を鈴木先生から教わりました。

大学に戻られてから、留学までのお話をお聞かせください。

清井

小牧市民病院で血液以外のことをたくさん経験して、大学院に戻るときも本流の第一内科ではなく、分院のほうに行きました。山田先生をはじめ、分院でお世話になった先生方は温かい方ばかりでしたし、分院のアットホームな雰囲気が大好きだったからです。
大学院を卒業し、分院で研究を続けながら臨床もやって、やりがいのある日々を送っていたころに、突然、分院廃止の話が持ち上がりました。悪いことに、ごたごたの最中に山田先生が亡くなられ、分院の立場はますます弱くなって混乱を極め、僕は嫌気がさして留学を考え始めました。