自ら努力する後輩は育てたい

最初に、あまり気が長くないとおっしゃいましたが、子どものときからそうでしたか?

松村

怒鳴ったりはしませんが、気は短いです。若い人に仕事を任せた時、遅いとイライラしてますね。そのあたりは直さないといけないと思っています。

後輩の育成のために、じっくりと待って、論文とかを書かせるということはされないのですか?

松村

博士号の英語の論文は本人に書かせます。それを直しますが、残念ながら、多くの大学院生は、どこを直されたのかを見ていない。それは、残念な気がしますね。

直していただいた部分を読めば、ずいぶん勉強になるはずなのにと思いますけれど。

松村

修正された箇所を1つ1つ見ていけばすごく勉強になるはずです。このフィードバックを実行しているといないでは、数年たつと大きく差がでてきます。だから、若い人には常に目的意識をもって自ら学んでもらいたいと思っています。

もし、原稿の話がきたときに「先生、俺に書かせてください」という人がいたら、任せますか。

松村

書かせますよ。うちの医局にもすごく優秀な若手の先生が何人かいます。いつだったか淡路島で研究会があって、一人の大学院生が発表し、夕方6時ぐらいに研究会が終わりました。私が大学に戻ってきて、夜11時過ぎに研究室に上がったら、彼が実験していて驚きました。せっかく淡路島に行ったのに、温泉にも入らずに、戻って仕事をしていたんです。その時、彼は伸びるだろうなと思いましたし、そのためにはできるだけのことをしてやりたいという気持ちになりましたね。

後輩に対する自分の位置とかを考えられることはありますか?

松村

最近、自分の発言の重さを自覚しないといけないと思うようになりました。私が何か意見を言ったとき、若い頃なら反対意見がたくさん出てきました。でも、最近は、私が会議で発言すると、その意見に反論しにくいというのをすごく感じます。だから若い頃のように勢いで発言することは、控えるようにしています。
若い時から、まわりには気を遣っていますね。プライベートも仕事も。それはこうしてお話ししている時もです、このあとの回診でも、家に帰っても一緒です。うちの家内にも全く同じように気を遣っていますから(笑)。