医者嫌いから愛される医者へ

小松

僕は本当に、自分が思いもよらぬ方向に、嫌いだった先生に、嫌いだった医者になっていますから、わかんないなぁと思いますね。

研修医時代のお話でも患者さんに育てられたというお話でしたね。血液内科の患者さんは、死と対峙して懸命に生きておられるから、大変ではないですか?

小松

そうですね。僕がずっと飾っている色紙があります。僕が自治医科大学時代に大晦日に回診したときに患者さんからいただいた自筆の色紙です。多発性骨髄腫の患者さんで、亡くなられましたが、僕にとっては忘れられない、思い出深いものです。
「命の水をいただいて、また生きよう」
僕らが命の水を分け与えるというと語弊があるけれども、少しでも患者さんに受け取っていただけるのであれば、それは医者として幸せなことだなと、僕は思っています。
自治医科大学のときには、時間をかけて、助教授回診をしていました。全員回診しているわけではなかったのですが、主治医とか看護師さんから、「ちょっとつらい思いをしていますので、話を聞いてください」と言われて、その患者さんのところへ。そうですねえ、3時間ぐらい、毎週やっていましたかね。師長さんと二人で、患者さん、特にちょっと病んでいる患者さんがいると、そこで座って、30分ぐらい話をしたり…。この色紙をくれたのはそのひとりです。