警告・禁忌を含む注意事項等情報はDIページをご参照ください。
⼀部承認外の成績が含まれるデータがありますが、承認時の評価資料のため紹介します。
目的
末梢性T細胞リンパ腫患者を対象に、イストダックス単剤投与の有効性を検討する。
試験
第1/2相、多施設共同、オープンラベル試験
対象
再発又は難治性#1の日本人末梢性T細胞リンパ腫患者40例
方法
イストダックス14mg/m2を、1サイクルを28日間として、各サイクルの1、8、15日目に4時間点滴静注した#2。イストダックスの投与は臨床的に明らかな病態の増悪、又はその他の中止基準に該当するまで継続可能とした。
主要評価項目
奏効割合#4
副次評価項目
・ 有効性
奏効割合#5,6、奏効までの期間#4,5、奏効持続期間#4,5、無増悪期間(TTP)#4,5、無増悪生存期間(PFS)#4,5など
・ 安全性
有害事象の種類、発現割合、重症度、治験薬との関連性
・ 心機能への影響
解析計画
主要評価項目:PTCL患者に対して独立効果判定医による中央判定及び治験責任医師判定での最良治療効果の分布を示し、奏効割合及びその両側95%信頼区間を算出した。中央判定による最良治療効果を有効性の主評価とし、中央判定による奏効割合に対して閾値奏効割合10%との片側検定(有意水準0.05)を実施した。中央判定によるmIWC1999に基づく奏効割合に対する年齢層別、性別、病型別のサブグループ解析を実施した。主解析は、すべての患者で治験薬投与開始後4サイクルを経過(又はそれ以前に中止)した以降に実施した#7。
副次評価項目:奏効までの期間、奏効持続期間、TTP、PFSを算出し、奏効持続期間、TTP、PFSはKaplan-Meier法を用いて評価した。
#1
1つ以上の化学療法歴を有し、①直近の化学療法で部分寛解以上の奏効が得られた後に病勢進行した再発患者、②部分寛解以上の奏効が得られず病勢進行した難治性患者又は③直近の化学療法の評価結果はないもののその後病勢進行した患者が対象とされた。
#2
制吐剤の予防的投与は強く推奨されたが、重大なQTc延長や、高度又は中等度のCYP3A4を抑制する制吐剤の使用は避けられた。がん化学療法による好中球減少症が認められた場合は顆粒球コロニー刺激因子G-CSFの使用を可能とした。感染を予防するため、ST(トリメトプリム・スルファメトキサゾール)合剤、アシクロビル等の予防的な投与を推奨した。また、 CD4陽性Tリンパ球数をモニタリングし、投与中に200/μL以下であることが確認された際は、予防的投与を強く推奨した。他に、カリウム製剤、マグネシウム製剤、輸血、血液製剤、抗生物質、解熱鎮痛剤などの併用を可能とした。
#3
第1相期で決定された用量
#4
International Workshop Response Criteria (IWC) for non-Hodgkin’s lymphomas (NHL)及び日本臨床腫瘍研究グループリンパ腫研究グループ(JCOG LSG)が作成した基準(JCOG版効果判定基準)の2つを踏まえて設定した基準(modified IWC[mIWC]1999)に基づく。
#5
Revised Response Criteria for Malignant Lymphomaを参考にPETによる画像診断をmIWC1999に組み込んで設定した基準(mIWC2007)に基づく。
#6
中央判定によるmIWC1999に基づく(病理中央診断で末梢性T細胞リンパ腫と診断されなかった2例を除いた症例)
#7
データカットオフ日:2015年7月28日
※
対象とされた病理組織型は、末梢性T細胞リンパ腫, 非特定型(PTCL-NOS)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)、腸管症関連T細胞リンパ腫、皮下脂肪組織炎様T細胞リンパ腫、皮膚原発γδT細胞リンパ腫(菌状息肉症、セザリー症候群を除く)、肝脾T細胞リンパ腫、ALK陰性未分化大細胞型リンパ腫(ALK陰性ALCL)、自家造血幹細胞移植後に再発したALK陽性ALCL、形質転換菌状息肉症、節外性NK/T細胞リンパ腫, 鼻型(ただし、試験途中で対象とする病理組織型から除外)であった。
本試験はセルジーン株式会社(現 ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社)の資金提供によりイストダックス開発治験として実施され、この結果を報告した論文の著者らはセルジーン株式会社(現 ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社)から指導料などの謝金を受領している。著者にセルジーン株式会社(現 ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社)の社員5名が含まれる。
特に指定のない限り、n(%)
特に指定のない限り、n(%)
#1
初回診断日の月が不明の場合は年初め(1月)、日が不明の場合は月初め(1日)と設定して算出1) 末梢性T細胞リンパ腫の罹病期間(年)=(投与開始日ー末梢性T細胞リンパ腫の診断日)/365.25
#2
治験責任医師に末梢性T細胞リンパ腫(AITL)と診断されたが、病理中央診断で末梢性T細胞リンパ腫と診断されなかった(びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫とAITLの重複癌が1例及び濾胞樹状細胞肉腫が1例)2)。
n(%)
#1
有害事象により投与の継続が不可能になった場合
#2
治験薬との関連性が否定できない有害事象の発現のため、同サイクル中の8及び15⽇⽬のいずれも投与ができなかった場合
#
治験薬投与期間 =(治験薬の最終投与日−治験薬の投与開始日+1)/7
データカットオフ時点で治験薬投与継続中の患者は、データベース上の最終投与日を使用した。